海外採用をやりたい!どうやったら関われる? インドIIT採用担当者のアドバイス

こんにちは、HRピコです。

今回はインドIIT採用を実施する採用担当者として、「そもそもどうやったら海外採用に関われるの?」という疑問にお答えします。海外採用をやりたい方、必見です!

 

海外採用業務に関わる方法 その1 「企業の採用担当」

海外採用に関わるには、いくつか立場や、それぞれに必要なスキルがあります。私の経験から、今回は3パターンを紹介します。

 

まず1つ目は、企業の採用担当です。

私の立場がそれにあたります。採用部の担当者として、その会社の海外採用をリードしたり、関わったりすることが出来ます。

また、採用部所属でなくても、HRBP”(いわゆる部門人事)でも、「その会社が海外採用をしていて、且つ自分の部門でも海外人材採用のニーズがある」場合において、人事面でのサポート役として海外採用に携われる可能性があるでしょう。

 

【日系企業】【大企業】【エンジニア募集している企業】を目指そう!

私の経験上、「海外採用をしている企業」には、上記3つの条件が必要です。どの企業でも良い、というわけではありません。具体的には、日本の大規模メーカーや、ソフトウェア関連企業が当てはまります。

 

【日系企業】【大企業】【エンジニアを募集している企業】について、それぞれ解説します。

 

海外採用をするにはなぜ「日系企業」なのか

このブログでの 海外採用は「海外大学を卒業した方に、そこで培ったスキルや考え方を持って、日本で活躍いただく」 ことを想定しています。

日系企業ではない外資系企業において、日本にある「日本オフィス」は「日本の市場」を攻略するための「1つの支部」なわけなので、わざわざそこに日本市場に強みを持っていないインド人やアメリカ人を高いコストで採用する必要は無いでしょう。

つまり、高いコストを割いてでも、世界中の英知・スキル・技術力を集める必要のある、開発や事業企画のハブがある程度日本にある企業という意味で、日系企業と特定しています。

 

海外採用をするにはなぜ「大企業」なのか

海外採用をするにはお金がかかります。現地で説明会をしたり、面接をするだけでも、何名もの社員の出張費がかかります。

晴れて外国籍の学生を採用出来た際にも、彼らの日本への渡航費、ビザ取得サポート費用、日本語研修など、日本の学生を採用する時にはかからない、追加コストが多く発生します。

そのうえ、離職率も高いため、リスクやコストをかけても、海外採用にチャレンジが出来る程度の企業体力が必要だという根拠から、「大企業」としています。

更に、国内外問わず、採用の成功には企業のブランド力 (知名度) も重要です。海外採用においては、その地で企業のブランドが知られていることが、より大きなアドバンデージとなります。

実際に私がIIT採用やその他地域の海外採用に関わる中で目にしたのは、ホンダ、NEC、ソニー、日立、資生堂、など「あ、そのブランドは海外の人も知っているよね」という会社ばかりでした。

 

海外採用をするにはなぜ「メーカーまたはソフトウェア関連企業」なのか

この項目は「エンジニア採用をしている企業」という意味です。特にソフトウェア、コンピューターサイエンスなどの学問は、海外大学の方がレベルが圧倒的に高いケースがあります。

よって、日本企業としてもコストをかけて採用する価値があるのです。正直、「広報」「人事」のような事務系の仕事 (を日本で行うには) は高いレベルの日本語能力が必要ですし、海外人材の優先度は低いでしょう。

 

海外採用業務に関わる方法 その2 「企業の海外採用をサポートしている企業」

海外採用には、その国特有の就職文化、企業の採用プロセス、教育制度、人的ネットワーク、といった、一定の専門知識が必要となります。そういった知識を持つ人材を、自社で賄うのは難しい場合も多いです。そういった際に、大企業の海外採用サポートを専門事業とする企業もあります。

弊社でも、上記のようなサービスの営業を受けたことがあり、例えば母集団形成のサポート (現地のキャリアフェア出展など) 、選考サポート (書類選考時のこまごました作業を代行してくれたり、現地面接の際の出張・当日ロジのサポートなど) を提案されました。

また、上記のようなロジ面でのサポートだけでなく、その国、大学の特徴を把握して、企業の採用ニーズに合う活動が出来るような戦略的なアドバイスをするサポートもあります。

現地とのネットワーキング、企業や大学との折衝など、海外採用に、まさにフロント(最前線)で関わりたい、という方はこういった企業に入ることも選択肢としてありだと思います。そこでノウハウを付けてから、大手企業の採用チームに転職をされる方も、実際に何名も見ました。

 

海外採用業務に関わる方法 その3 「自分のチームに海外人材を採用したいマネージャー」(番外編)

マネージャーになると、目標達成のために自分のチームのケイパビリティを上げることを考えるわけですが、その際に海外人材にしかないスキルが必要ですとか、組織活性化のために海外人材を入れたいという場合は、所謂ハイヤリングマネージャーとして海外採用に関われます。

マネージャーとしてであれば、面接、リテンション、そして入社後の育成と (嫌でも(笑)) 関わることが出来ます。

ただし、マネージャー1人が「海外人材採用したい!」と考えても、出来るかどうかはその企業によります。例えば、以下のような条件を満たしているのかどうかが重要です。

  • その企業に海外採用の経験はあるのか
  • その企業の人事部(採用部)にサポート出来るケイパビリティがあるのか
  • そもそも海外人材が馴染む土壌が準備されているか (例えば、社内文書の英語化や社員のコミュニケーションスキル、異文化を受け入れる組織文化など)
  • 海外採用のための予算があるか

 

上記のように様々な制約がありますので、あくまで番外編として紹介しています。

 

海外採用をやりたいビジネスパーソンに必要なスキル

ここでは、主に上記その1、その2で書いた、「企業の採用担当者」や「海外採用を行う企業をサポートする」職業を目指す人材に必要なスキルを記載します。

 

英語(ビジネス英会話)

海外採用では、採用ターゲットとなる学生だけなく、様々な海外のカウンターパートと英語で円滑なコミュニケーションをする必要があります。正直「読み書きは十分できます」だけでは物足りないため、TOEICの点数よりも話せるかどうかが重要です。

少なくとも、情報を正しく口頭コミュニケーションで伝達できたり、英語で話される内容を80%くらいは正確に聞き取れるレベルは必要です。

80%、としたのは、そこまで理解出来ればあとは「ここはどういった意味ですか?」などという追加コミュニケーションによって正しく理解することが出来るからです。

 

話す際には、日本語なまりが強い英語でも全く問題ありません。海外の人は気にしませんし、インド採用でいうとむしろインド英語の方が癖がつよつよです。

  

対人スキル

インドIIT採用でいうと、学生、IITの大学関係者、自社インド支社のインド人社員、日本の採用部署マネージャー、外部ベンダー、と多くの関係者と協働しながら採用活動を進めます。

学生には「親しみやすい・頼れる」、社内関係者には「信頼できる」、社外関係者には「協力したい・この人に信頼されたい」と思わせる、対人スキルが必要です。

多くの場合、企業の採用担当者がハブとなって進めるケースが多いので、自ら協力関係を築き、円滑に業務を進める対人関係スキルがマストだと私は考えます。

 

体力と、やりきる忍耐力

度重なる海外出張、学生入社までに1年以上を要する長いプロセス、慣れない異文化コミュニケーション、などにより、海外採用担当は疲れます(笑)

まずは途中でダウンしない体力が必要です。更に、(自分も、関係者も) 慣れないルールや、各所からのむちゃぶり、長い時間をかけた採用活動という成果が見えずらい状況でも、長期的な視点を持ちながら1つ1つの仕事をこなし、やりきり、且つ次に活かしていくという継続したパワーが必要となります。ということで忍耐力としました。

 

他にも、交渉スキルやプレゼンテーションスキルなど、言い始めればキリがないですが、最低限必要という観点で上記3つ(英語、対人スキル、体力&忍耐力)を上げました。

 

さいごに もしあなたが海外採用担当者になるため転職活動をするなら

私は大手自動車メーカーの人事から、転職で今の会社に入りました。

 

私が海外採用をやることになったきっかけ

元々「ものすごく海外採用やりたいです!」という訳ではなく、(前職も人事だったので) 人事職種で広く転職活動していた時、転職エージェントの紹介で今の会社に巡り合い、新卒採用担当として入社しました。

その後、ひょんなことから海外採用も担当することになったので、セレンディピティ(偶然)が働いた部分も大きいです。ただ、もともと英語は得意だった点や、当時20代で体力がありそうに見えたとか、そういった要素はあったと思います。

 

海外採用をやるために転職する際のオススメサイト

ちなみに、転職は基本的にエージェントを介して行うのがオススメです。(私もそうしています)

 

ネット上には多くの「転職おすすめランキング」的なものがあります。

個人的におすすめ出来るのは、私の尊敬する人事の先輩が書いている「人事参謀」というブログです。

その中でも以下の記事は、年齢、現在の年収帯、など個人の属性ごとにおすすめの転職サイト・エージェントが比較されていて、これから転職を考えたい人におすすめです。

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